大判例

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東京高等裁判所 昭和46年(う)1949号 判決

被告人 鈴木功

〔抄 録〕

所論は、被告人が黒田達男に対し、同人が無許可で製造するヘアースプレーの原料品を販売した本件所為は可罰的違法性を欠き、犯罪の成立を阻却するから、原判決が被告人を有罪としたことは法令の解釈適用を誤つたと主張する。しかしながら、所論が可罰的違法性を欠く理由として挙示する諸点を検討すれば、(1)ヘアースプレーの性質上化粧品に該当するか疑義があるとの点は、薬事法二条三項の化粧品の定義規定において「身体」と「皮膚若しくは毛髪」とは明確に区別された概念であるという所論を前提とするものであるが、若しそうであるとすれば、同条項は化粧品たる要件として「身体に塗擦散布その他これに類似する方法で使用されることが目的とされている物」であることを定めているのであるから、皮膚、毛髪以外の個所に塗擦散布等するという、殆どあり得ない使用方法による物でない限り化粧品に当らないことになり、所論の前提自体において首肯し難い。所論のとおりヘアースプレーは整髪された頭髪に散布し整髪された状態を保つために使用されるものであるから、むさ苦しい乱髪が見る人に与える不潔感を防ぎ、美容を保ち、従つて容姿全体の魅力を増すために使用されることを目的とした物であつて、同法条所定の要件に適合し、化粧品たることに疑義があるとは認められない。

(関谷 寺内 中島)

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